2012 年 5 月 1 日
4月14日のアリ日記で、「対照実験の結果が出そう」と書きましたが、5月1日をもって最終結論を出すことにしました。
水分の他、砂糖だけを与えていた家族は4家族が生き残っていました(1家族は女王アリが死亡)。その5月1日の家族構成です。
1.働きアリ10 繭0 幼虫5 卵0
2.働きアリ8 繭0 幼虫0 卵0
3.働きアリ6 繭0 幼虫2 卵0
4.働きアリ4 繭0 幼虫0 卵10(働きアリの分解された死骸が目立つ)
たったの4例ですが、平均としては、
働きアリ7 繭0 幼虫1.75 卵2.5
となります。
昆虫も与えていた対照実験用の家族は5家族全部が生き残っていました。
1.働きアリ15 繭0 幼虫8 卵20以上
2.働きアリ13 繭0 幼虫2 卵30以上
3.働きアリ12 繭1 幼虫2 卵30以上
4.働きアリ12 繭0 幼虫5 卵30以上
5.働きアリ7 繭3 幼虫6 卵10以上

繭が3個あります

幼虫が5匹います
平均すると、
働きアリ11.8 繭0.8 幼虫4.6 卵24以上
となります。
もともと、対照実験を始めた8月10日の時点で、どちらもそれぞれの5家族の内訳は、働きアリの数が10匹が4家族と11匹が1家族でした。
砂糖だけの場合は、働きアリさえも増えていないことになります。
全体として、明らかに有意差があります。この栄養源による対照実験の結果は明らかです。
これまで、糖分だけを与えてきた4家族に初めて昆虫を与えました。カイコガの蛹を細かく砕いたものです。砂糖も同時に与えましたが、早速巣に運び込んだのは、カイコガの蛹でした。砂糖の方は、運びませんでした。(茶色に見えるのが、カイコガの蛹です)

この家族には幼虫がいません

この家族には卵がありません
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2012 年 5 月 1 日
4月23日に、人工巣からの移転の第2例目の実験を始めていました。

4月27日の様子
今朝、庭に出ると、人工巣を置いていた場所から1m弱の場所にクロオオアリの巣を見つけました。働きアリが、穴から出入りしているではありませんか。そこが巣であることは一目瞭然でした。

土をくわえて出てくる働きアリ

穴が見える
第2例目も人工巣からの引越に成功したことになります。
ところで、第1例目で、引越先の巣穴ではないかと既述した場所ですが、今回の巣穴を見て、それは別の生き物の巣穴であったと気がつきました。ですから、クロオオアリの巣は、別の場所にあったはずです。そこで、改めて近辺を探しましたが、残念ながら、クロオオアリの巣らしきものは見つかりませんでした。

引越した後の人工巣

こんなに運び込んでいた
そこで、より確実性を持たせるために、第3例目の実験をすることにしました。
今度の家族は、「働きアリ9匹、繭1個、幼虫1匹、卵20個以上」の構成です。


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2012 年 4 月 30 日
庭のアケビの新しい枝にアブラムシが群生していました。枝ごと取って、それをクロオオアリの人工巣に入れます。
クロオオアリは、このアブラムシをどうするでしょうか。
ア.アブラムシを食べる。
イ.分泌物をなめて、アブラムシは殺さない。
まず、枝ごと人工巣に入れた直後です。

働きアリは、これを異物として攻撃します。アブラムシをくわえているアリがいますが、腹部から蟻酸をかけもします。枝にアブラムシの痕跡があるのでしょう、枝にも動物に対するように攻撃します。
捉えられたアブラムシは、巣の中に運ばれます。(写真をクリックすると拡大して見られます)


アブラムシは、巣の中でアリに飼われるのでしょうか。
いやそんなことはありません。やがて、アブラムシの姿はなくなりました。全部、食べられたのです。
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2012 年 4 月 28 日
家族11
ここから家族15までは、4月10日に庭に移植した家族です。いずれの家族も昨年女王アリを採集して、人工巣で飼っていた家族で、幼虫や卵がありました。地面に直接真砂土を積んで、人工的に大きめの穴を作って、その穴の中に移植しました。
出入り口が見えます。

巣の中の様子です。

家族12
軒下に巣があります。

巣用に盛った真砂土は乾燥していましたが、アクリル板の内側の一部分に水滴がついていました。軒下で乾燥しがちですが、水分は補給されているようです。
家族13
こちらは塀のコーナーにある巣です。こんなふうに湿っています。

地中に通じる穴が左上に見えます。
家族14
この巣の場所は、午後の半ばからよく日光が当たります。アクリル板の内側に水蒸気がこんなに結露しています。

通路が外に通じていました。

家族15
巣穴がかなり深く掘られているようです。真砂土の下の地面の土がいっぱい運び出されています。

巣の中にも黒っぽい土がいっぱいです。

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2012 年 4 月 28 日
4月28日の庭のクロオオアリの様子を順次紹介します。
家族1
働きアリが2匹、巣から出ていました。(写真をクリックして拡大して見てください)

巣に戻る働きアリ

もう1匹
これが巣の中です。昨年移植した家族です。

家族2
昨年移植した家族で、働きアリは1匹しかいません(4月8日確認)。

家族3
4月8日に見た時に、働きアリ15匹とたくさんの幼虫がいた家族です。地上には、巣穴を掘って出てきた土がたくさん積まれています。

巣の奥に地中へとつながる穴が見えます。

家族4
昨年移植した家族が全滅した場所です。4月8日に働きアリ8匹と幼虫がいる家族を移植しました。巣の中の空間は、まだ、その時人工的に作ったままになっています。

家族5
4月8日に見た時、働きアリが3匹いた家族です。その時、幼虫はいませんでした。

地中に通じる穴が見えます。

家族6
4月8日には、働きアリを4匹確認しただけで、幼虫は確認していません。しかし、この日は、幼虫が数匹いました。(巣穴の中央辺り上)

家族7
4月8日に働きアリが9匹と幼虫がいる家族を移植しました。働きアリが1匹、巣の出入り口にいました。

巣の中の様子です。人工的に作った空間が狭くなっています。

家族8
昨年移植した家族です。一番早く巣穴を奥へ掘った家族です。

家族9
昨年移植した家族が全滅した後、4月8日に働きアリ10匹と幼虫がいる家族を移植しました。奥に通じるすっきりと空いた穴が見えます。元々の地面の黒っぽい土が見えませんので、まだ、浅い巣穴なのでしょう。

家族10
昨年移植した家族です。4月8日の時点で働きアリが7匹いて、幼虫は確認できませんでした。巣穴の出入り口のまわりに、たくさんの土が積まれています。かなり巣穴を掘ったのでしょう。

巣穴の様子です。奥へつながる穴があります。

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2012 年 4 月 23 日
今日気づくと人工巣が空っぽになっていました。2日ほど忙しくしていて観察していなかったのですが、その間に大きな変化があったのです。

人工巣のすぐ横に、土が捨てられているようなところがあり、人工巣を載せていたグレーチング(上の写真に写っています)を取り除いて、撮ったのが下の写真です。

細く丸まった、一定の形をした土の塊がたくさんあり、その真ん中辺りに小さな穴があります。これが引越先の地中の巣なのでしょうか。アリの姿を見ることができませんでしたので、まだ確言はできませんが、とにかくアリの家族は引越をしたのです。ちなみに、細く丸まった、一定の形をした土の塊は、人工巣の中にもありました。

このアリの引越が成功して、クロオオアリが庭に住み着くことができれば、画期的な発見です。自然界では、次の春まで生き残っているアリの家族は、1%にも満たないかも知れません。それが、次の年の春まで人工的に飼えば、かなり高い割合で家族を存続させることができ、その後で、庭などに移植すればよいのです。これは、ある意味でアリの養殖です。現在のところ、クロオオアリが益虫であるかどうかはさておき、クロオオアリを人工的に増やせる方法が開発されるということです。とても喜ばしいことです。
下の写真は、その地中の巣かも知れない箇所にシャーレを被せたところです。そっと上から置いているだけで、地面との隙間がたくさんあるようにしました。こうすることで、大雨による巣くずれが防げると思います。

まず、一例目が成功したようなのですが、たったの一例で何か結論を出すわけにはいきません。そこで、同じことをもう一度やってみることにしました。
今度の家族は、働きアリが14匹います。もちろん、卵や幼虫もいます。

こんなふうに、ブロックを壁にして、その上を板で蓋をします。

さて、庭のその他の家族ですが、巣穴掘りも始めています。下は、5日前(18日)の写真で、奥に巣穴が掘られています。

今日見ると同じ巣が下のようになっています。

黒っぽい土が見られますね。この場所では、黒っぽい地面に真砂土を載せてアリの家族を移植しています。この黒っぽい土が表面に運ばれているということは、もともとの地面まで、穴を掘り進んだということになります。順調に巣作りが進んでいるようです。
下の写真は、この巣の出入り口です。

人工巣から移転して作ったかも知れない巣穴らしい穴と較べて見ると、大きさなどが良く似ています。やはり、例の穴は、人工巣の中にいた家族の巣穴なのでしょうか。
最後に、部屋で飼っているアリの様子です。一昨年の6月に巣作りを始めた家族は、もう繭で一杯になっています。更に大きな家族になりそうです。

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2012 年 4 月 14 日
12日に、人工巣のまま庭に設置した家族の様子を見ました。人工巣の入り口の下に小さな枯れ葉などが積まれていました。

働きアリが少ない割にはかなりの量ですから、何度も人工巣から外に出たのでしょう。何のためだか断言できませんが、隙間を埋めようとしたのではないかと思います。
人工巣の中には、働きアリが6匹いました。元々は11匹でしたから、あとの5匹のことが心配です。外出中なのでしょうか。今日(14日)見た時も6匹しかいませんでした。

ここからは、部屋で飼っている今日のクロオオアリの家族の様子です。

幼虫の横には卵がたくさんあります。

上の写真で、少し大きい茶色のものが写っていますが、これはカイコガの蛹を潰したものです。昨年は、イトトンボやユスリカの幼虫などを与えていましたが、いつでも手に入り、しかも給餌しやすいたんぱく源として、カイコガの蛹を使うことにしました。カイコガの蛹は、ネットから入手できます。高価なものではありませんが、鯉などの餌として販売されていますので少量での販売がなく、たくさんの量を購入しました。
下の写真は、はちきれんばかりに膨れた女王アリの腹部です。

そして、奥にピントを合わせたのが下の写真で、卵がいっぱいあります。

さて、昨年の8月10日のアリ日記で、対照実験のことを書いています。餌として糖分と昆虫を与える場合と、糖分とローヤルゼリーを与える場合で家族の増え方を比べる実験です。この実験は、その後すぐにローヤルゼリーを食べなくなったので、糖分と昆虫を与える場合と、糖分のみを与える場合の家族の増え方を比べる実験に移行していました。そして、その両者の家族の増え方の違いが、現れ始めたようです。
糖分のみの場合のサンプルは5例でしたが、その内1例は途中で女王アリが死んでしまいました。その家族の働きアリは、今でも生きていて9匹で暮らしています。この家族には、残された幼虫も卵もありません。
後の4家族を紹介します。

この家族には、幼虫も卵もいません。

この家族には幼虫が何匹かいます。

この家族には卵がいつくかあります。

この家族には、写真には幼虫が1匹しか写っていませんが、幼虫が2匹います。
以上ですが、たんぱく源を与えてきた家族との違いとして、幼虫や卵が少ないこと、幼虫が小さいこと、そして女王アリの腹部が膨れていないことがあげられます。これらの違いが、今後ますます大きく現れるのでしょうか。今後の観察で明らかになることでしょう。
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2012 年 4 月 10 日
今日は、とても春めいた良い天気でした。庭へ放ったクロオオアリの家族の数は、昨日までに11家族となりましたが、今日更に5家族を庭へ移植しました。
1.働きアリ11匹(移植の際、1匹行方不明になりました) 2.働きアリ7匹 3.働きアリ6匹 4と5.働きアリ7匹 以上いずれも幼虫や卵がいます
地面に直接、真砂土を少し盛り、真ん中ほどに少し大きめに窪みを作ります。そこへクロオオアリの家族を人工巣から落とし入れます。アクリルの蓋をして小さいタイルと大きいタイルを載せます。今までの移植の方法と変わりませんが、土を盛るためのレンガを組みません。
以下順にその写真です。

1

2

3

4

5
2を移植中に逃げ出した働きアリが、家屋の基礎の壁でクモに襲われました。働きアリと同じぐらいの大きさのクモですが、気づいた時には、クモが働きアリの体に糸を巻いているところでした。すぐにクモを追い払い、アリを助けました。アリは体の一部が糸で縛られていましたが、何とか自力で糸から抜け出ました。
ただ、そのクモは追い払っただけですから、また、働きアリを襲うでしょう。いったん庭へ出れば、そこは弱肉強食の世界です。
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2012 年 4 月 9 日
新しい方法で、クロオオアリの家族を庭に移植しました。

コンクリートの塀に沿うように設置しています。木の蓋をすることで、雨と直射日光を遮るようにしています。

中の様子です。アクリル製の蓋を少し開けています。蓋がずれないようにセロテープで固定しています。

早速、1匹が人工巣から出て、木製の蓋のところまで登ってきました。
このクロオオアリの家族は、働きアリが11匹います。また、だいぶ大きくなった幼虫もいます。
果たして、このクロオオアリの家族は、今後どうなるのでしょうか。そのまま、人工巣にとどまるか、または地面に引越するのか、あるいは、全滅してしまうのか、予想し難いところです。私の望みとしては、地面に引越し、そこで大きな家族になることです。そして、そのようになるのでしたら、庭への移植がより確実に簡単になると思うのです。
ですが、ひょっとするとアリの習性として、自分が生まれた巣穴にしか住めないのかも知れません。その場合は、引っ越しはしないことになります。また、働きアリが自由に人工巣から出られることで、外出中に災難に遭い、働きアリの数が減少するかも知れません。あるいは、働きアリが迷子になって人工巣に帰って来られなくなるかも知れません。いろいろな要因を考えながらの移植の試みです。
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2012 年 4 月 8 日
昨年の7月26日に、その時点で働きアリが1匹のクロオオアリの家族を10組、庭に移植しました。1年目の冬を越したその家族の様子を今日確かめました。
ここ彦根では、冬は何度も雪が積もります。人工的に設置した巣の中で、クロオオアリの家族は、果たしてどの程度の生存率なのでしょうか。
結果は、7〜8割の生存率でした。私の予想からすれば、かなり高い生存率です。10組の内、家族が全滅したのは2組、女王アリのみだったのが1組です。幼虫の存在が確認できたのは2組で、あと1組も幼虫がいるのではないかと思っています。
1号巣:働きアリが8匹いるようです。幼虫もいます。

2号巣:働きアリは1匹、幼虫はいません。

3号巣:働きアリは15匹位いるようです。幼虫もたくさんいます。10組の中では、この家族が、最もよく繁栄しています。

4号巣:全滅しています。死骸がありません。

5号巣:働きアリが3匹、幼虫はいません。

6号巣:働きアリが4匹、幼虫はいません。

7号巣:女王アリが1匹だけでした。
8号巣:この8号巣こそ、望んでいた巣作りを始めていた家族です。人工的に作っておいた部屋の奥に穴を掘っていて、蓋を開けた際に、そこに移動して行きました。そのため、働きアリの数を数えることができませんでした。また、幼虫の数も分かりません。下の写真では、地中へ行く穴から働きアリが触覚を出しています。

この家族の中には、腹部が膨れている働きアリがいました。

また、薄い色をした働きアリもいました。突然変異でなければ、生まれて間もないのでしょうか。疑問が残ります。

9号巣:全滅していました。女王アリの死骸が残っていました。

下の写真は、女王アリの死骸をズームアップしたものです。

10号巣:働きアリが7匹いるようです。幼虫はいないようです。

昨年の夏から秋にかけても、10組の家族の中で、働きアリが巣から外に出て、働いている姿を見ることは1組もありませんでした。ひょっとしたら、ずっと餌なしで暮らしていたのかも知れません。大きな疑問です。
全滅した4号巣と9号巣、それに女王アリのみになった7号巣の後には、新たに部屋で飼っていた家族を移転しました。
新4号巣:働きアリ8匹と幼虫がいます。

新7号巣:働きアリ9匹と幼虫がいます。

新9号巣:働きアリ10匹と幼虫がいます。

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